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2008年4月27日日曜日

この統計を引き合いに出して何が言いたかったんでしょう???(内閣府のDV調査)

4月22日付の日経新聞夕刊1面に毎回掲載されている「あすへの話題」のコメントに統計学のネタとしてうってつけのコメントがあったので紹介しておく。

筆者は元お茶の水大学のS教授であった。
担当講義の1つはフェミニスト経済学(?)らしい。

それはさておき、記事の内容は
内閣府の調査で
夫婦の女性33%、男性17%がDV(ドメスティックバイオレンス)の被害経験者であることが発表されたことに関連している。
(もとデータは これ とか これなど、どちらもpdf形式)
詳しく知りたいかたはこのページ
この数字は実感に比して高すぎるのではないか?というまっとうな疑問を呈した識者を批判する内容の記事だった。
その論拠は、
これは無作為標本調査でこうした取り組み自体が初の試みであること→これまで統計上に現れていなかった実態が表面化しただけ
ということであった。


意味不明。
この記事の問題点は専門家でもなんでもない私が指摘できるだけでもかなりある。

例えば、
・有効回答率6割程度→断定するほどの精密さに欠ける。
・暴力の定義が曖昧→いわゆるコトバの暴力(怒鳴る)、無視するなどの態度も本調査には含ま れている。
・初めての調査→比較対象が無い。数値が高いのか低いのか分からない。
・過去に一度でも受けたことがあるかという質問の仕方→熟年夫婦のほうが可能性が高い。
 かつ、熟年層のほうが回答率が高い。
などなど

24歳の私にはよく分からないのだが、いわゆる無視したりこき使う態度や平手打ちなんかは昔の家父長的な空気が残っていた頃のほうが多かったのではないだろうか。
あくまでイメージであるが。

DVというのはたいへんな問題だと思うが、
近年になって深刻化した、とでも言いたげな記事や報道を見るたびに、それらの論拠がほとんど常に薄弱であると感じるのは私だけであろうか。変わったのは何を暴力と捉えるかという意識であると考えるのが妥当だと思うが。
そのような場合、発信者自体がバイアスの塊のように見えてしまうのが恐ろしい。

記事を書いたS教授も今頃後悔してるんですかね?

ここまでいろいろと言ってきたが、統計の使い方は本当に難しいし、気をつける必要があると感じた。
日経新聞でもあからさまなゴ〇記事がしばしば登場することを心に留めておく必要があると、改めて教えてくれたこの記事には感謝してますよ、実際。さすが日経(笑)

関係ないけど近頃の内閣府は暴走ぶりが目につくのは私だけ?

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