過去エントリ

2008年2月19日火曜日

教員は働きすぎ???

 日経新聞を購読しているが、月曜日の紙面が一番好きだ。以前ある人に「月曜は政治欄がないからダメ」と言われたことがある。それでも好きだ。特に教育欄が最近のお気に入りである。ただし、今日はお気に入りに対して噛みついてみる。それは、統計数字の使い方があまりにお粗末だからだ。
 問題の記事は、18日月曜の日経朝刊記事の「学び再考」で、

六時間二十六分から五時間後十七分へ。ここ十年で小中学校教員の平均睡眠時間が三十分減っ た。・・・NHKの国民生活時間調査によれば、一九九五年に七時間十五分だった有職者の睡眠時 間は二〇〇五年には七時間後分へと十分減少した。・・・学校にいる時間は十一時間五十分に  なった。NHK調査による勤め人の平均は七時間四十六分。

 んで、結論は、

・・・七十五万人に及ぶ巨大な教員集団を多忙化から救い出すことが喫緊の課題である。そしてそ の前に、私たちは先生方のこれだけの長時間勤務に、きちんと報いねばなるまい。

 元データは、「第4回学習指導基本調査速報版」および「国民生活時間調査報告書」である。前者の調査主体はベネッセであり、後者はNHKである。ちなみに記事の筆者である耳塚教授は前者のメンバーの一員だ。
 違和感を感じる点はたくさんありすぎるので、以下の3点のみについて論証する。
  1. 調査方法・調査年度などの異なる2つの調査を比較対象としてしまっている点。
  2. ベネッセの調査は、サンプリングの方法がおかしいので非標本誤差が存在し、教員の抽出者が校長であるという点でバイアスがかかっている可能性が大きい。
  3. 勤め人の平均労働時間は7時間46分なんて、フリーターやパートも含んでいると考えて間違いない。
 1については、調査方法やサンプリングの方法が異なるものを比べるのはナンセンス。
 2については、学校の抽出は無作為であるが、教員の抽出に際しては校長の主観が入り込む余地が大きいのでどうしようもない。おそらく、比較的労働時間の長い人が選ばれる傾向にあるのではなかろうか。
 3については、NHKの調査では、10時間以上働く人の割合は24%である(男性に限れば35%である)という結果が出ていることからも、教員の11時間50分(しかも学校にいる時間)と勤め人の7時間46分(労働時間)を比べるのはナンセンスすぎる。サラリーマンと教員を比べるならまだしも、全有職者と比較することに何の意味があるのか。
 以上から、「教員の多忙化」を必要以上に誇張して読者に受け取らせてしまうような記事になってしまっている。
 個人的には耳塚教授の「学び再考」の記事は好きなので、非常に残念な思いをした。

2008年2月16日土曜日

日本語の不思議:ルビ(送り仮名)について

本日(2月16日)付の日経新聞朝刊3面記事「脱ゆとり路線くっきり」によると、
教科書では、習っていない漢字にルビをふるようになるらしい。
たとえば、「一生けん命」(一生懸命)と表記していたものを、の懸にルビor送り仮名を付けるようになるらしい。この場合、ルビをふるべき漢字は習っていないものという明確な基準がある。

翻って考えると、日常われわれが目にするルビはどのような基準で振られているのだろうか。
以前から疑問に思っていた。基準があるのかないのか。
wikipediaの「ルビ」の項目によると、ルビが必要なのは以下の場合であるようだ。
  • 漢字に読みをつける際に用いる。通常、ひらがなが用いられる。
  • 人名や地名など、一般的でない読み方をする場合に、読み方をガイドする。
  • 漢字に限らず、任意の文字・単語に対して別の読み方を指定したい場合に使用する。
  • 外来語を翻訳した用語の場合に、その用語自体の読み方は一般的に自明だが、元の外来語の発音を提示したい場合に用いる。この場合はカタカナが用いられる。
つまり、明確な基準がないということのようだが、知っている方がいたら教えて下さい。

実際どのような使われ方をしているかというと、
2月16日の日経朝刊1面でルビが振られていたのは、「蓋然性」「冤罪」であった。
日経の想定している読者層ならまず読めるはず。
同じ1面の中でで読めなかったのは、渡海 紀三朗(とかいきさぶろう)文科相だった。

なぜ人名にはルビが振られないことが多いのだろうか。
失礼に当たるのか(しかし時折見かける)、一般常識なのか?


追記
個人的に全く読めなかったのは、槍田 松瑩(うつだしょうえい)三井物産社長です。
読めましたか?私は「やりた」と読み、大恥をかいたことがあります(笑)

序にかえて

今日からブログというものを始めてみる気になった。アウトプットの機会の1つとしてやってみようという気になった。
思い立ってから書き始めるのに要した時間は、10分弱。
想像以上の参入障壁の低さに驚く。

このブログのタイトル「ダブり」とは、留年のダブりのこと。
筆者は現在大学6年目の身である。
大学に6年いることで他と違うことは、
・ インプット>>>アウトプット というように両者のバランスが崩れること
・ 就職活動の際、面接で必ず聞かれる質問が分かってラッキーということ
・ 自らの力で生計を立てているとはいえ、両親に対しては申し訳ないこと
などである。

後は、「序」なわけであるから、このブログで何をやるかついてつらつらと書いてみる。
・書評など
・気になったニュースやサイトの紹介や批評
・その他

書いていくうちに自分なりのスタイルを確立できれば幸いである。