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2008年4月6日日曜日

[書評] ルポ貧困大国アメリカ

ルポ貧困大国アメリカ (岩波新書 新赤版 1112)


アメリカの貧困層における貧困のスパイラルに焦点をあてた作品。


アメリカに注目している人にとっては言うまでもないことだが、医療保険制度改革は大統領選の主要な争点の1つになっている。
その観点からすれば、非常にタイムリーであり、アメリカの医療保険制度の問題点を知りたい人にとってはとてもよい本だと思う。
以下は、私がamazonに書いた書評の抜粋

アメリカの低所得層に見られる貧困のスパイラルに焦点をあてた作品。大統領選の主要な争点である医療保険制度改革などについての概要を把握するのにとてもよいと思う。
正直なところ、まったく知らなかった情報というものはあまりなかったが、アメリカにおける貧困のスパイラルのメカニズムをを分かりやすくまとめられている点に意義があると思う。

ただ、残念なことに多少筆が走っているきらいがある。
例えば、筆者は作り出された貧困という点を強調しているが、初期条件が同じでも競争がある限り格差は生まれるものであるという方が正しいだろう。
医療制度にしろフードスタンプにせよ、生み出された格差を埋めるための制度であり、制  度が格差を生み出しているわけではない。
近年になって(民営化の名の下に)制度の影響力が弱まってきているというのが実態だろ    う。

因果関係をもう少し丁寧に記述してほしかった、という点で星4つ。ただし、700円の投資  価値は十分にある良書だと思う。


ほんとにもう!
格差解消のためのシステムが貧困を生み出すわけないじゃないですか(笑)
因果関係が逆。

アメリカにおける貧困層の生産メカニズムはかなり強烈。真に解決されるべき問題だろう。ただし、それを考慮しても、移民が増え続けるあの国には依然として魅力があるのだと考えられるし、いい面もたくさんあると考えるのが妥当だろう。

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