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2008年3月26日水曜日

新幹線とLRTと地方都市

目新しいネタでは全くないのだが、3.15のダイヤ改正を機に、以前から気になっていた新幹線とLRTという2つの電車について書く。

結論から言ってしまうと、現在計画されている新幹線のいくつかの新線も、LRTを軸としたまちづくりも多くの場合で失敗するのではないか、と思う。

それは、新線については大都市圏とのアクセス向上によって、商圏としての可能性を広げることが狙いであろうが、結局日帰り圏の拡大による地方都市のスルー減少をもたらすだろう。

LRTは都市周辺から客を引き寄せたりなどの商圏の囲い込み(コンパクトシティ)が狙いであろうが、ある程度の規模(都市の魅力)がなければうまくいくわけがない。また十分に規模を持つ都市でも、用途の線引き(市街化区域,市街化調整区域など)や交通状況などの環境を整えないと十分に機能しないのではないか、という懸念がある。



新線鉄道計画徹底ガイド 新幹線編


私の知る限り、新幹線の新線計画のうちで実現可能性が高そうなのは以下の3つだろう。
青森-函館 →2015年開通予定
福岡-長崎(佐賀経由)→建設決定
長野-金沢(富山経由)
それぞれ死亡するであろう自治体は、青森・長崎・富山だろう。

LRTについては、2007年10月に施行された「地域公共交通の活性化および再生に関する法律(公共交通活性化法)」にも後押しされて、様々な地域において導入計画が目白押しである。
いくつか挙げてみると、
富山(開通済み)
(導入検討中)
宇都宮(導入検討)
京都(導入検討中)
盛岡(導入要望中)
富山(42万人)・盛岡(30万人)・宇都宮(51万人)はどうだろう。苦しいのではないだろうか。この3都市は新幹線によって近くの政令指定都市クラスと繋がっていることを考えると、個人的には囲い込み戦略を取るべきではないと思う。

やはり、新線によって大都市とつながりを持とうが、LRTによって周辺の囲い込みを狙おうが、大都市とのアクセス可能性がある限り、得するのは大都市であると思う。

ただでさえ都市化が進みつつあり、(一般的に言って)地方都市の吸引力が相対的に弱まりつつあるのに、都市部へのアクセスを向上させたら何が起こるか。
同じ土俵で勝負したら地方都市に勝ち目はないだろう。

地理的に守られる中規模都市というものもおそらく存在するのだろうが。これについては九州の事例を元にいずれエントリを書く予定。

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